gakushu - 1901、鏑木 清方(かぶらき)
1901、鏑木 清方(かぶらき)
- 2016-1-6 21:16
(NHK20140413)
「少年のおしりが切り取られ殺害される」という本事件には
東京中が衝撃を受けたようで、「犯人は少年を狙った変質者か」
「外国人の仕業では?」「犯人に関する重大な秘密を目撃した
ために殺されたのでは?」といった憶測記事が毎日のように報じられた。
一方、引き続き捜査を続けている麹町警察署では、
1ヵ月前に発覚したある事件が背後にあるのではないか?
という推測がなされていた。それは「大阪生首黒焼き事件」である。
大阪は日本橋の「化物屋敷」と呼ばれる一軒家で墓場から
盗み出したとされる人間の生首を黒焼きにし販売していた家族
が逮捕され、大阪を中心に大きな騒ぎとなった。
「生首の黒焼き」は主に薬として売られており、その効能は
肺病やらい病(ハンセン氏病)といった当時の不治の病を治す薬
として売られていた。 人間を薬とする民間療法は
骨以外にも若い女性の子供の内臓、脳みそなどが材料として使われたが、
今回の麹町のケースのように「新鮮な子供の人肉」も使われることがあるらしく、
警察署では「惣助の肉を薬として売るため殺害したのではないか」
という説も議論にあがっていたようである。
証拠も遺していないことから捜査は難航。1ヵ月が過ぎるころには
世間の関心も薄れてしまったようで、「人肉取り事件」の話題は
新聞から姿を消した。 だが事件から3年が経過した明治38年(1905年)、
容疑者として一人の若い男性が逮捕されることになる。