gakushu - 1658、デホーホなければフェルメールは
1658、デホーホなければフェルメールは
- 2016-10-27 1:28
(日テレ20150308)
ポーランド南東部のポトカルパチェ県で、子どもと思われるものを含む
合計115体の遺骨が発見されました。遺骨の一部が口に硬貨をくわえて
いたことから、専門家は「この地域がキリスト教化される前の風習の
名残が見られる」と指摘しています(2020)。
1604年にこの地域で最初の教区教会が建立された丘陵地帯が
含まれており、敷設工事が行われる前は深い森になっており、
墓標などもありませんでしたが、小さな礼拝堂が残っていたことから、
「この場所は子どものための墓地だった」と結論付けています。
発掘調査を行った考古学者によると、
遺骨は全て頭を西に向けて横たわっており、
全体の70~80%は子どもの遺骨だと見られるとのこと。
また、遺骨の一部は口に硬貨が入った状態で発見されました。
遺骨の口に入れられていた硬貨の一部は、
1587年から1632年までポーランドを治めていた
ジグムント3世の時代に鋳造されたものでした。また、
1659年から1668年にかけてポーランド・リトアニア共和国で
使用されていたBoratynkaと呼ばれる硬貨も見つかっています。
考古学者のカタジェーナ・オレセック氏は「この硬貨は『死者のオボロス貨』
もしくは『カロンのオボロス貨』と呼ばれています。この風習は、この地域に
キリスト教が伝えられる以前から続く古い信仰に関連していますが、
キリスト教化後も長きにわたり保存されてきたもので、19世紀末にも
ローマ教皇であるピウス9世が実践したといわれています」と話しました。
カロンと詩人(ギリシャ神話):
詳細→YouTube:アサヒ【神話解説】
オレセック氏が言及したカロンとは、ギリシア神話に登場する
冥界の河の渡し守です。渡し賃は1オボロスで、これを支払えない死者は
渡河が後回しにされ、200年間ほどあたりをさまよわなければならない
と伝えられていたことから、古代ギリシアでは死者の口の中に
1オボロス貨を含ませて弔う習わしがありました。
冥界の河の渡し賃:
詳細→YouTube:歴史サロン