gakushu - 中高_歴史_1750カテゴリのエントリ
(NHK20141107)
アメリカ独立戦争を終結させるためにイギリスとの間で
1783年に結ばれたパリ条約の交渉中、後にアメリカ大統領
に就任するジョン・アダムズは、イギリスは北大西洋で
漁業を行うアメリカ人の権利を認めるべきだと主張した。
北大西洋はタラとサバの豊かな漁場だったが、
ねらいはそれだけではない。アダムスが1783年に
獲得した漁業権は、まだ若い国家だったアメリカが
世界の海に覇を唱える源泉になった。
アダムズ政権時代に国務長官のピカリングは
1797年に、漁業権を「独立の最も公正な果実」と呼んだ。
1860年代までに、アメリカの外交政策は拡張主義路線に転じ、
国際漁業はその重要な要素となった。1850―1898に米国は、
アラスカ、プエルトリコ、ハワイ、グアム、フィリピンなど、
数多くの海外領土を併合した。
ジョンソン政権下ヘンリー・スワードは、
1867年にアラスカとその周辺の豊かな北太平洋海域を購入した。
さらにグリーンランドとアイスランドの購入を試みたが失敗した。
当時の記録で、スワードと同じ志を持つ後継者
ハミルトン・フィッシュは、アフリカ北西部に近い
カナリア諸島を海軍の拠点と漁船の基地として購入
しようとしていたこともわかっている。
1940年代、最大維持可能漁獲量に基づく漁業という
概念を持ち出して、海洋におけるアメリカの影響力を拡大した。
このアイデアは科学的発見というよりも政治的なツールだった。
冷戦が進行した1950年代、魚外交は、ソ連に対抗するために
同盟国との関係を強化するアメリカの役に立った。
(ブレイク・アール:テキサスA&M大学歴史学准教授2020)
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